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「がん」離職せず治療を/「治る病」労安学習会で東山さん

講師の東山聖彦大阪国際がんセンター副院長

 府本部は、労働安全衛生に関する学習会を7月18日に大阪市内で開き、がん患者の職場復帰支援や治療しながらの働き方について考えました。参加者は各自治体の人事担当者も含め、41人(16単組)。講師の東山聖彦大阪国際がんセンター副院長は「がんは治る病気。つらいだろうが仕事を辞めず治療を続けてほしい」と参加者らに訴えました。

 がんは、2人に1人がかかる病気であり、その3分の1は就労者。非常に身近で起こり得る事案ですが、現在では、薬や技術の発達で治療レベルが格段に向上し、がんに罹患する人は増えているものの、死亡率は減少傾向にあります。次々に新薬も開発されているし、肝がんを例にとると、新薬が半年ごとに開発され、その都度、治療法が変わるのが現状で、「進歩のスピードが速すぎて、治療に関する教科書が間に合わないくらいだ」と東山副院長は語りました。

 治療薬の進歩により、働きながらの治療が可能となる時代。事業所では辞めずに働くことのできる環境づくりが急務になっています。東山副院長は、「まだまだ大企業のレベルの対応指針。中小企業向けのマニュアルが必要。途上の段階」と問題点を指摘し、「がん患者就労者への対応でわからないことがあれば、大阪国際がんセンターの相談支援センターでも相談を受けることができる」と呼びかけました。