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更新日:2016年3月2日

中島岳志 北海道大学公共政策大学院准教授が講演
「権力による監視が強いと思い込み、
無意識に自主規制のかかる世の中になる恐れがある」と警告

自治労大阪春闘討論集会
組織強化・拡大が重要課題

 自治労大阪は、2月5日、2016年度春闘方針(案)を討議するため春闘討論集会を大阪市内で開きました。集会では、春闘に関する議論を交わすとともに、2016年は、組織強化・拡大が重要課題であると強調しました。また、7月に行われる参議院選挙では「えさきたかし」の再選にむけ取り組みを強化することを確認しました。集会には、中島岳志北海道大学公共政策大学院准教授を招き、講演を受けました。中島さんは、安倍政権が強行採決した特定秘密保護法を例に挙げ、「権力による監視が強いと思い込み、見えない恐怖で無意識に自主規制がかかってしまう世の中になる恐れがある」と警告しました。また、「言ってはいけないという、世の中の『空気』が生まれたとき、どのように対処するのか、労組の役目は非常に大事である」と指摘しました。(参加47単組120人)

 講演で中島さんはこう語りました。「秘密保護法がしっかりと運用され、誰かが『見せしめ』の逮捕をされたとき、今までと同じように生活できるか」。

 1937年、軍機保護法を改定し、対象となる機密を強化しました。この法律は、軍事秘密の探知、収集、漏えいなどを厳しく処罰する法律です。この法律をめぐって、宮澤レーン事件という軍機保護法違反で有罪、のちに冤罪となる事件が発生しました。この事件は、いわゆる見せしめ逮捕となった案件です。なぜ逮捕されたのか当人にも家族にも不明でした。この事件について、身近な人たちは、自分に累がおよぶことを危惧し、固く口を閉ざしました。中島さんは「自分に累がおよぶ恐怖から無意識にしゃべってはいけないという自主規制が働いた。この状況が本当に怖い。権力の思うつぼである」と強調しました。また、日本が戦争に突き進んだことも例に挙げ「反対することができない雰囲気が状況を悪化させた。日本全体が戦争という最悪の空気に飲み込まれた」と分析しました。最後に中島さんは「どのような権力に関わらず、言論の自主規制はしたくない。するつもりはない」と力強く語りました。

特定秘密保護法への危機感を示す中島岳志さん

特定秘密保護法への危機感を示す中島岳志さん

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