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更新日:2014年12月25日

自治労大阪消防協議会
惨事ストレスなど様々なストレスに対し、
組織として消防職員を守る対策が急がれる

 自治労大阪消防協議会は、11月28日、大阪市内で2015年度消防セミナーを開き、消防職員の職場ストレスの問題について、惨事ストレスや様々なストレスをしっかりと認識し、消防職員を守る観点で組織として対策を立てることが重要であると確認しました。セミナーには、消防の未組織自治体の職員、また単組役員からの参加もあり、全体で80人を超える参加者がありました。

ストレス問題について講演する小野北河内ブロック消防連絡会事務局次長

ストレス問題について講演する
小野北河内ブロック消防連絡会事務局次長

 消防職員のストレスへの対応は、阪神・淡路大震災以後、大きく進展したと言われています。阪神・淡路大震災では、本来出来うることであるにも関わらず、不可抗力により、十分な活動をすることができず、多くの消防職員が惨事ストレスに陥りました。消防職員は社会的期待が非常に大きく、この期待に応えるため、個人の感情を押し殺し、すべては住民のためと決して弱音を吐かないという職業意識、職業文化を持っています。しかし、消防職員といえども一人の人間であり限界があります。

 大震災のあと、神戸市消防局の機関紙に消防職員の手記が掲載され「これだけの大震災で、消防職員として無力感を味わった」など、当時の心境を吐露し、理想と現実のギャップによる苦悩が綴られていました。消防職員は、命を賭し現場で消火、救助等を行っています。時として仲間が負傷、最悪のケースでは殉職ということもあります。それが故に、日ごろからストレスをいかに軽減することが重要と言っても過言ではありません。個人のストレスが長期化、重篤化することにより、人員配置、また組織統制に影響が生じることになります。

組織拡大が重要と語る吉村幹事

組織拡大が重要と語る吉村幹事

 ストレス対策の実情は、大都市では具体的な対策を講じているところもありますが、市町村では、関心は高く持っているが現実としては対策が遅れている状況です。消防協は、組織としてストレス対策を構築することを重要課題のひとつとして掲げ、組織拡大とともに今後の活動を推進します。

 続いて、吉村鹿児島県消協特別幹事を講師に招き、近年全国で進んでいる、消防行政の広域化にともなう組織化課題にふれ、吉村幹事は「組織拡大により、過半数の意見は文句から意見となり、数の力はとても大きい」と強調しました。講演の最後には、消防の仕事は人間の働きが重要な役割であると再度認識し、市民の安全を守ることを第一義に考え、そのなかで消防行政の充実のためにできることを最大限取り組もうとエールを送りました。

 あいさつした髙木自治労大阪副委員長は「同じ労働者、地域公共サービスを担う仲間として今後もつながりを持っていきたい」と語りました。

全体で80人を超える参加者があった

全体で80人を超える参加者があった

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