HOME府本部の取り組み > 保育・保健衛生を指導-タイ・パラミラーニングセンター

更新日:2012年3月27日

国際協力現地セミナー
支援は、必要とされることの把握
できることから始める積み重ね

 自治労大阪が2012年2月に国際協力の一環として取り組んだ、ビルマからの移民労働者の子どもたちが通うタイ・パラミ・ラーニングセンターへの支援活動で、ボランティアとして現地で保育・保健衛生のセミナー講師を受け持ってくれた府本部国際協力派遣団メンバーのレポートを一部抜粋してお伝えします。(第3回)

兼田 雅代さん(大阪市職)

 パラミ・ラーニングセンターに到着してすぐに施設内を見学させてもらいました。校舎や寮、家畜の飼育小屋、トイレ。現状は想像よりきれいだったが健康教育セミナーに当たっては不安もありました。

応急処置の講習などで、現地の備品を一つひとつ調べる兼田さん

応急処置の講習などで、
現地の備品を一つひとつ調べる兼田さん

 私は保健師として看護師と共に保健衛生(手洗い・うがいの方法、包帯法、心肺蘇生法など)を担当することになっていましたが、寮の子どもたちが調理をしている場所が日本で言う台所ではなく、ちょっとした台がある屋外であったり、ボールに入った生肉が地面に置いてあったりと衛生的には問題がありました。また、教師がどの程度の知識を持っているのか分からないのも気がかりでした。その中で教師10名に指導を実施。手洗い・うがいについての知識は想像以上にしっかりとありましたが、包帯法や心肺蘇生は新しい学びも多かったようでした。

 教師はパラミで働く前はいろいろな職種についており、教師の免許を持っているわけではありません。良い仕事があれば転職していく状況があり、パラミに知識が定着していくような関わりが必要だと感じました。また、学校で指導しても家に帰って実施できているかは分からない状態にも問題があるとのことでした。

 セミナーを実施した2日間で、国や地域事情によって健康問題はさまざまだということを実感しました。メーソットの衛生状態や気候からすると食中毒や熱中症を心配しましたが現実はあまりないとのことでした。昔からこの地域に合った対策が定着しているようでした。今の日本人の感覚では生肉が炎天下の中、地面に置いてある状態は危険に感じますが、この地域ではしっかり火を通して調理することが当たり前でそれが自然と対策になっています。

現地の教職員に健康衛生指導する兼田さん(写真中央)

現地の教職員に健康衛生指導する兼田さん(写真中央)

 この地における問題点は私たちの生活観の中からは見えにくく、もっとこの地の実態を知って、その中で地域に合った方法を伝えていくことができたらいいなと感じました。支援を行うとは何なのか悩みましたが、その地で必要とされることをまず把握し、できることから始めていくことの積み重ねのように思いました。

 今回このような機会をいただいたことに感謝しております。

印刷 文字サイズ小 文字サイズ中 文字サイズ大