HOME府本部の取り組み > 第4回 大阪発 保育・子育てを考える集い〜地域での保育・子育ちを一緒に考えよう

2007年9月16日

第4回 大阪発 保育・子育てを考える集い
地域での保育・子育ちを一緒に考えよう

 自治労大阪の社会福祉評議会は子ども情報研究センターと共催して、9月16日(日)午前9時30分から、府立労働センターで「第4回大阪発 保育・子育てを考える集い」を開き、450人が参加しました。

あいさつ「元気になって」田中所長

 集会冒頭の主催者あいさつで、子ども情報研究センターの田中文子所長は「昨今の保育をめぐる情勢は厳しく、課題が山積しているため、思考停止になってしまう危険性がある。しかし、孤立するのではなく、大きなビジョンや視野を広く持って議論をしていく必要がある。今集会は参加者が元気になれる集いにしていきたい」と述べました。

 また、自治労大阪の蜂谷紀代美委員長は「最近は地域での支えあいがなくなり、子育てに喜びを感じる一方で負担感や閉塞感に悩む母親が増えている。また、子育て世代の多くの男性が長時間労働をしており、家族と過ごすことが困難な状況にある。

 私たちには長時間労働の規制やパート労働者の均等待遇の実現、地域の子育てネットワークづくりなど多面的な取り組みが求められている。

 親も子どもも自分の問題と向き合い、整理し、方向を見出していけるような支援と、ともに支えあっていく場が必要である。今集会がタイトルにある「わ・た・し・再・発・見」の場になることを期待する」とあいさつしました。

 続いて、記念講演では大阪大学大学院の小野田正利教授を講師に「いまどきの親〜イチャモンを考える〜」と題した講演を受けました。

 講演で小野田教授は「昨今、保護者の消費者意識が高揚し、学校に対する期待感・距離感が大きく変化している。また、他方で学校は膨れあがる様々な教育病理現象への対処が求められるとともに、場当たり的な「教育改革」に翻弄され、体力とゆとりを減少させている。加えて、総合的な育成力を蓄えていたはずの地域の変貌も加速度的に進んでおり、学校は疲弊し、教師は元気を失くしている。

 自分は数年前から増え続ける保護者や地域住民からの学校へのさまざまな無理難題要求(イチャモン)について、教育課題として考え、全国各地で調査を行い、実態把握と解決策の検討をしてきた」と述べ、さまざまな事例をくわしく紹介されました。

 また、これらの無理難題に現場の教師は呆然と立ちつくし苦悩し、時には鬱状態になったり、自殺してしまうケースもあることや、他方で正当な要求や思いが満たされず、不満をつのらせていく保護者の心情などについても話されました。

イチャモンのの本音は何? 小野田教授

 そして、問題の解決に肝心なことは「親が…」、「教師が…」ではなく、「子どものために」を一番に、実のある道筋を探すことであり、(1)お互いがじっくりと話し合い、要求の裏側にある本音を読み取ることが大切である、(2)当時者の努力で解決できないケースもある、(3)専門家の助けも必要であること、などを熱く語られ、参加者は最後まで釘づけ状態でありました。

 午後からは課題別に(1)保育所保育指針・幼稚園教育要領改訂問題、(2)障害児保育、(3)公的施設の役割、(4)子どもたちとのふれあい・接し方、(5)命から繋ぐ食・食から繋ぐ命、(6)野菜バリバリ元気っ子ダンスの6分科会を開き、各会場で熱心な討論が行われました。

 とくに第4分科会ではワークショップで「イチャモンをつける親と子と先生」を体験するロールプレイングを行いました。また、第6分科会では当初予定を大きく上まわる53人が参加し、大阪府の食育ホームページ「おおさか食育通信」の紹介と活用方法、子どもむけに発表された「野菜バリバリ元気っこダンス」をはじめ保育に活かせる体操やダンスの指導を受け、和気あいあいとした雰囲気の中で踊ったり、カゴメ(株)の食育支援の取り組みについて説明を受けました。

 会場内には食育に関する資料やパネルなども展示され、現場の保育士むけに食育の情報提供の場としても大きな成果をあげることができました。

社団法人子ども情報研究センター

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